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悲しい女 黛麻由子
あれから良男は毎日のやうに家にやってきたのです。
私は脇にあせもが出来やすい良男の為に来る日も来る日も苦日も狂日も手製の汗脇パットの研究を続けました。
良男に合う形、大きさ、肌触り、吸収力・・・
作っては捨て、作っては捨て、作っては食べ、作っては捨て、過去も捨て、ベネッセからの週2ペースで来るしつこいDMも捨て、捨てては拾い・・・
結局出来上がることのないまま時は流れたのです。
しかしある日、良男が可愛いフリルとクマさんの絵が付いたパットをしてきた!
私は怒りに震えた。その振動を利用してペットボトルでバターを作った。
私は良男に問い詰めた。
「この脇・・・いやパットは脇、女が作ったんで脇!?」
良男は必死に否定したが私は良男のにほいたつ脇からパットを引き剥がした。
既に吸収力のキャパシティを超えて汗が滴ってしまっているそれを見て私は一瞬ときめいた。
それはさておき、パットの裏側を見てみると、見知らぬをんなのNameが・・・!
黛麻由子(まゆずみまゆこ)
誰YO!麻由子って!?
私は怒り狂いながらもパットからほのかに香るにほひについ目頭が熱くなった。
良男曰く今朝起きたら既にパットが着いていた、という。
私は良男の脇とパットから溢れ出るパフュームとミストに免じて彼を信じる事にした。
ほんとに麻由子って可哀想な女。こっそりパットをつける事しかできないなんて・・・
そんな優越感に浸りながら今日もまったりとザ・ワイドを見ていた。
そんな、昼下がり。
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