❤距離❤

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✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨ さっきまで一緒にいたのに、もう会いたくなる… 切ないけど、温かい気持ち… 会えない時間は淋しいけど、離れている時間でさえ 愛しい… ✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨   その夜、侑史は仕事が終わった後 昨夜と同じ様に彩夏に会いに来た。 明日から2ヵ月も会えない事を考えると、会わずにはいられなかった。 今は 少しの時間でも側にいたい…二人はそう思っていた。   何ヵ月・何年 付き合ってきた恋人同士なら、2ヵ月という期間は さほど大きな悩みではないかもしれない。 けれど侑史と彩夏には これから離れて過ごす2ヵ月という時間が、とても大きく 重いものだった…   「出張の準備があるから、あまり一緒にいられないけど…」   侑史はそう言って、彩夏の手を握った。 二人は それきり何も言葉を交わさず、ただ黙って抱き合った。 彩夏の髪を優しく撫でながら、侑史は口を開いた…   「彩夏…淋しい思いさせるって分かってたけど、会わずにいられなくて ごめんな。」   「なんで?なんで謝るの?」   「俺が無理に会おうって言わなければ、まだ俺らは付き合ってないだろ?その方が良かったのかもしれないな…」   「…どうして?」   彩夏は侑史の言葉に涙を流す…   「彩夏に無理言って会って、俺らはこうして付き合う事になったけど、付き合っているからこそ 彩夏に淋しい思いをさせちまう…」   「そうかもしれないけど…それでも昨日 侑史に会って良かったよ!」   泣きながら そう言う彩夏を侑史は強く 強く抱きしめた。
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