理想

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そして5時── 僕はドキドキしながら正門へ向かう。 他の生徒はもう下校済みで誰もいない。 正門が見えてくる。 ──手紙をくれた子らしき女の子がいる。 彼女はしばらく前から待っていたようでマフラーの巻かれた口元より少し上にある鼻が少し赤くなっているのが可愛い。 僕は小走りで彼女の元へ向かう。 彼女もこっちに気付いたようで僕を見て、モジモジと手袋をはめた両手を揉み合わせる。 僕は彼女の前に立って軽く息を整えて言う。 「遅れてゴメンね。話ってなに?」 僕の問いかけに対して彼女は少しモジモジしながらもこう答えるんだ。 僕のことが好きだ、と。
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