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「さっきの人は彼女でもなんでもないんです。付きまとってきたからビシッと断っただけです。僕には彼女がいるので、お茶も飲みに行くことはできません!」
〈完璧だ!〉僕は自分でそう思った。
しかし……相手は、百戦錬磨の安藤様だった。
「まあ、やっぱりストーカーだったのね。私の知り合いに警察関係もいるから、逮捕させましょうね」
「いや、そこまでしなくても……」
さすがに僕は慌てて断った。
「そう。優しいのね」
「いえ。そんな……」
「優しいぼうやに相談に乗って欲しい事があるのよ。とっても難しい問題なの……ダメかしら?」
そう言った安藤様の表情は今まで見たことがないような暗く……そして思いつめた雰囲気だった。
「な、なにか困ったことでも?」
僕は暗い表情の安藤様を見て思わず聞いてしまった。
「私の……生死に関わることなの」
生死に関わるって?
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