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「福部さん、間違ってたらごめんなさい。ひょっとして吉川さんは、夜の仕事をしていたのかしら?」
「えっ、まぁ、そうですけど」
唐突な質問に僕は、思わずそうに答えてしまった。
「やっぱり、そうよね」
「えっ?どうして分かるんですか」
「なんとなくよ」
「はあ……」
「実は、私もそうだったから」
「へっ!」
「別に驚くことじゃないわよ。私だって、この仕事をする前は、キャバクラ・ホステス・デリヘルコンパニオン、一通りやってきたのよ」
高梨さんから衝撃的な告白を聞いた僕は、思わず目を見開いてしまった。
「そんなに変かしら」
笑いながら高梨さんは言った。
「まっ、その、大変そうな仕事をなさってきたんですね」
「大変? そうだったかしら?」
高梨さんはケロッとした顔で言った。
佑美のとった行動にも驚いたが、予想もしなかった高梨さんの経歴にも、僕は驚きを隠せなかった。
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