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「ええ、とっても大事なことなの」
電話で話せないことなのだろうか? 僕は少し怪しく感じていた。
「明日ですね。分かりました。では、何時に会社に伺えば?」
「いえ。会社ではなくて、二人でお食事でもしながら、お話しがしたいと思っているのよ」
「食事?」
「ご迷惑かしら」
「あっ、いえ……」
僕は正直ためらった。女性に誘われて今までの経験から考えると、ろくな事はない。
「あっ、それからこの事は吉川さんには内緒でお願いしたいの」
「佑美に内緒ですか?」
ますます怪しい。僕の頭の中は《誘惑危険信号》のスイッチがONになった。
ただ、今回は佑美の事も関係しているらしい。僕は少し考えた。
「--分かりました。場所と時間を教えて下さい」
僕は覚悟を決めて聞いた。
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