高梨社長の言葉

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--翌日、僕は予約された高級レストランの個室にいた。 「ごめんなさいね。時間取らせてしまって」 高梨さんはコートを脱ぎながら僕に謝った。胸元の開いたシルクのブラウスがやけに気になる。 「夜は予約を取っても、なかなか入れないんだけど、ランチは多少余裕があるみたいなの。女性一人で来るには寂しいから誘っちゃった。こういう店は嫌い?」 「いやぁ、僕には無縁の場所ですから」 「まあ、食事でもしながら、ゆっくりとお話しましょう」 高梨さんは微笑みながら僕に言った。 僕の頭の中は、先日まで体験入社していた安藤様の微笑みと高梨さんの微笑みが…… シルクのネグリジェとシルクのブラウスがダブって見えた。 「福部君、緊張してない?」 「そそ、そうですかね」 微笑む高梨さんに僕の頭の中は危険信号が点滅し始めた!
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