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クスクス笑いながらお肉を少しずつ食べる高梨さん。そんな僕を横目に見ながら、更に質問をした。
「本当に美味しいわ。あっ、それと福部君は冬美のことも好きなんでしょう?」
「へっ?」
この人は立て続けに、なんて質問をするんだ。僕は困惑した。
「まあ、黙ってても答えは顔に出ちゃってるから何も言わなくていいけど」
何も言わなくていいって? 言ってる事が分からない。
「私ね、突然質問して相手の表情を見るのが好きなのよ。特に困った顔がね」
どうも、この人は別の意味で苦手だ。
「さて、福部君の気持ちも分かったとこで、本題に入りましょうか」
本題? 今度は何を話すんだ? 僕は構えた。
「本気で吉川さんのことが好きじゃないなら、今すぐに別れなさい」
「はいっ?」
高梨さんの思いもよらぬ一言に僕の顔はマヌケ顔になっていた。
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