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「僕は僕は……」
高梨さんは僕のことをジッと見透かすように見ている。僕はやっぱり……
「僕は……佑美のことが好きです。一緒にいたい。そして、佑美の夢を応援したい!」
僕はきっぱりと高梨さんにそう言った。
「そう、よかった。福部君の携帯番号を聞いてて正解だったわ」
険しかった高梨さんの表情が、パッと明るくなった。
「もしかして、佑美の事って、このことだったんですか?」
「当たり前でしょ。でも良かった! これで私も一安心。恋する女性ほど強いものはないわ」
高梨さんは本当に嬉しそうな表情だった。
「じゃあ、吉川さんのことは福部君に任せるわ。それと、まだ内緒だけど、吉川さんは正社員として雇いますから、そこの所は理解してあげてね」
「正社員!? あっ、はい。任せて下さい」
僕は胸を張って答えた。
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