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「和久おかえり。どこに行ってたの?」
部屋のドアを開けた途端、美味しそうな匂いが漂っていた。
「んっ、知り合いに会ってたんだよ」
「そっかあ~暇な時じゃないと会われないもんね。あっ、今日は和久の好きなキムチ鍋にしたんだよ」
僕は佑美の心遣いが嬉しかった。
「下着、応援するからね」
「和久。今なんて言ったの?」」
「応援するって」
「グスッ……グスッ」
佑美の目は潤んだ。
「ど、どうしたの?」
「なんでもない! 嬉しかっただけ!」
佑美の目から涙が溢れでてきたが、その顔は笑っていた。
[グツグツグツグツ]
「あっ! 火を点けっ放しだ」
佑美は涙を拭きながら、コンロの火を消した。
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