小説家の夢

4/7
前へ
/404ページ
次へ
「半分読んだけど、なかなか上手いじゃない。小学生三、四年向きって感じがするよ」 「僕も、そのつもりで書いてたんだよ」 「そうか。でも上手いと思うよ。お世辞抜きにして!」 お世辞が入っているんだろうけど、佑美に褒められて僕は正直嬉しかった。 「で、この古いノートを寝ずに見てたってことはさ、また書くつもりなんだ?」 佑美の目が輝いて見えるのは気のせいだろうか? 「一応、時間があれば書こうかな……なんて……」 「時間があればぁ~? 時間ならたっぷりあるじゃない! プーしてるんだから今書きなさいよ。貯金だってあるんだし、こういうのは勢いだよ。わかる? い・き・お・い!」 〈勢いがあるのは佑美の方じゃないか!〉 と、言いたいのを飲み込んで、僕は……
/404ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70886人が本棚に入れています
本棚に追加