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「気持ちいいこと?」
「かっわいい~その惚けちゃった顔」
悪魔はさらに、僕に寄り掛かってきた。
「や、止めて下さい!」
「テレテレしちゃって、本当にかっわいい~」
ダメだ……このパターンはいつもの悪夢が……僕の危険信号が点滅し始めた。
「さっ、ふくちゃん行こう。車はあそこに停めてるからさ」
「あの~僕は用事があるので」
僕はやんわりと、上手く断ろうとした。
「男はさ、いい女を抱くと立派になるんだよ! 女もそうなんだけど」
ぐぇ~っ! なんて持論だ。でも、僕には自信があった。この前も言えたんだ! 今回もハッキリと断れば大丈夫。
僕は勇気を出して言った。
「僕には彼女がいます! だから……その、付き合えません」
「別に彼女がいたって、いいじゃない。ただ、セックスがしたいだけなんだから」
「えっ?」
あっさりと僕の勇気は打ち砕かれ、悪魔に強引に連れ去られようとしていた。
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