70886人が本棚に入れています
本棚に追加
/404ページ
でも、ここで怯んでは……悪魔の思う壺。僕は足を踏ん張って、そして、力を込めて言った。
「だきゃら~ダメなんだって~!」」
力の加減がおかしかったのか、僕の声は裏返った怒鳴り声に、さすがの悪魔も驚いた。
「ど、どうしたのよ。レストランで働いていた時は優しかったのに~」
「あの時は仕事の事もあったけど、今は……ハッキリと言える。僕はあなたとセックスもしないし、友達でもないんだ! わかったか」
「………」
僕は肩で息をしていた。悪魔にハッキリと大声で面と向かって言ってやったのだ!
しばらく、僕を見ていた悪魔はやがて、
「マジなんだねぇ~怖い怖い、分かったわ」
呆れた様子で諦めてくれた。悪魔が帰って行く。僕は逃げ出さず勝った! そう感じた瞬間だった。
でも、僕は悪魔を引き止めた。それは、どうしても聞いておかなければいけないことがあったからだ。
それは、あの日からず~~~っと気に掛かってしょうがなかったことだった。
最初のコメントを投稿しよう!