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「ちょっと派手だったかな。ふ・く・ち・ゃ・ん」
甘ったるい声だ。普通の男なら鼻の下を伸ばして喜ぶところだろう。でも、僕にとってそれは苦痛で耐え難いものでしかなかった。
なぜって?
実は僕、真面目で臆病な《女性恐怖症》なのである。
ヤバい。息苦しくなってきた。自分でも顔色が赤くなっていくのが分かる。
「今日もまっかぁ~になったのね。か・わ・い・い」
無理もない。高山さんは僕が恥ずかしがっているようにしか見えていないようだ。
「は、あ、いや、その、ミックスピザとコーラのSサイズセットです」
この時間は恐怖だ。苦痛だ。いや、拷問と言ってもいい。早くピザを渡して逃げたい。
「ふくちゃん、よ~く見て。この下着」
「いやいやいやいや、ピ、ピザを」
「そんなに嫌がらなくてもいいんじゃない。感想を聞いただけなのにぃ~」
<マズイ! 怒らせたか?>
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