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「和久、かなりストレス溜まってんな」
「当たり前だろう。それに問題があるのは隣の部屋だけじゃないんだ。上の住人も大変なんだって」
「大変って、上もイチャイチャしてるのか?」
孝行は壁に張り付いたまま、器用にティッシュを鼻に詰め込んでいた。
「そんなんじゃないよ。夜中に洗濯機を回すわ、バタバタ歩き回るわ、風呂に入るわ、とにかく響くんだ」
「なぁんだ、そんなことか」
「そんなことって、真夜中だぞ。僕にとっては睡眠妨害なんだ!」
「シッ! 声がデカい」
孝行は僕にテイッシュの箱を投げつけた。
「バカッ! 隣に聞こえる。ホラッ、静かになったじゃないか」
「ゴメン」
僕はなぜだか咄嗟に謝っていた。
「アホ和久、せっかくの楽しみを!」
「まあ、しばらく待ってたら再開するだろ。いつもそうだから」
「そうなんだ」
孝行は納得して、やっと壁から離れた。
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