第3夜 中学時代…別れ

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なんの話をしたんだろう…。 あの夜の彼はよく喋った。饒舌だった。 だから、私にも容易く分かった。 もう、会えなくなるわけ? >そうや。きづいとったか? うん、何となくね。 >宇宙ってわかるか? は? 何の話やろ、と思っただけで、私には彼の知ってる宇宙のビジョンが分かった。 宇宙の成り立ちや意味、全てが。言葉ではなく、イメージとして。 数秒、息ができない位の苦しさを味わう。 脳の幾億の階層にある引き出しが全て、無理矢理詰め込まれ収まった。 >今までのとは違う情報量やろ。ナイトヘッドも揺らす位だよ。 う、ぁ、なんか凄いね。 >これ以上、知るとアンタは人間じゃなくなる。 え、なに? >アンタはアンタじゃなくなる。そして、俺も俺でなくなる。 …それは、悪いことなの? >悪いな。地球を破壊する程度に悪いな。 …やっぱり悪いよね、それは。 >地球なんか俺はどうでも良いけどな。だが、あんたは友だちや。友だちの住んでる場所は壊せない。 あんたの願いはあんたを破壊するんや。 破壊されたいとは思ったけど地球を道連れにしたらあかんよな。 あぁ、アンタは自分を大事にしないからなぁ。 自分を大事に?してるよ? >あと20年たったら気付くわ。…ただな、大変な事があるんや。
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