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なんの話をしたんだろう…。
あの夜の彼はよく喋った。饒舌だった。
だから、私にも容易く分かった。
もう、会えなくなるわけ?
>そうや。きづいとったか?
うん、何となくね。
>宇宙ってわかるか?
は?
何の話やろ、と思っただけで、私には彼の知ってる宇宙のビジョンが分かった。
宇宙の成り立ちや意味、全てが。言葉ではなく、イメージとして。
数秒、息ができない位の苦しさを味わう。
脳の幾億の階層にある引き出しが全て、無理矢理詰め込まれ収まった。
>今までのとは違う情報量やろ。ナイトヘッドも揺らす位だよ。
う、ぁ、なんか凄いね。
>これ以上、知るとアンタは人間じゃなくなる。
え、なに?
>アンタはアンタじゃなくなる。そして、俺も俺でなくなる。
…それは、悪いことなの?
>悪いな。地球を破壊する程度に悪いな。
…やっぱり悪いよね、それは。
>地球なんか俺はどうでも良いけどな。だが、あんたは友だちや。友だちの住んでる場所は壊せない。
あんたの願いはあんたを破壊するんや。
破壊されたいとは思ったけど地球を道連れにしたらあかんよな。
あぁ、アンタは自分を大事にしないからなぁ。
自分を大事に?してるよ?
>あと20年たったら気付くわ。…ただな、大変な事があるんや。
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