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桜が応えるように舞う。
この季節じゃないと会えないからな。
声は聞こえないけど、私に拾える意識。
花びらの中から浮かんでくる。
桜になってる訳じゃないんだよね。
花をヨリシロにしてるだけなんだ。
この再会も貴方が見せた運命の中に組まれていたね。私、だから耐えてきたんだよ。
人並みの暮らしはできなかった。本気で不幸だったよ。色々抜け出したいから頑張ってきたよ、でもね。
無理だった。
私はうつ向いた。
桜の足元を彩るセイヨウカラシナが風に揺れた。
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