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「じゃあ最後の願い。
私は未来にどうなるか知りたい。」
…空が暗くなりかけている。私の中になんかいる。…平気じゃないけど…、不安を悟られたくなくて、私は話しかける。
…願いを3つ、言えば、出ていく。魂をくれって意味は分かんないけど、死なない程度なら問題はないし。
『どうなるかって、そんなんなぁ~』
「わかったわかった、具体的じゃないわけだね。じゃ、私が知りたい時に知りたい未来がわかるようになりたい。これならどう?」
…結構、行き当たりばったりの願いにしては上手く言ったような気がする。
お金とか家とか地位とか言ってないし。
『ふぅん、まぁえぇわ。しかし忠告しとく。自分自身の未来を見たら、魂どころじゃないで、寿命が縮むんや。』
「へぇ、そうなんだ。でも、それでも知りたいさ。今生きてく為に必要だもん…。たとえ明日死ぬにしても。」
『そうか、辛いんなやな。のけもんにされとんのか』
分かってくれるんや、コイツも一人ぼっちみたいやったからかな?
『よしゃ、じゃあな。魂頂いていくわ』
ふっと体が軽くなる。夕暮れの空が高くなる。
…あいつ、私の魂でどんな生き物になったんだろ。人間にはなってないよね。鳥?あんなとこにいたっけ?
あれ?こんな花、さっきなかったよな?
この花になったのかな。
もう、なんも感じないや。
とりあえず…おなかすいたから、帰ろう。
……
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