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チェシャ猫は笑う事しか許されない…
それはお伽話の決定事…
彼は笑いながらアリスを導くのが使命なのだから…
だからって…
「酷すぎる…」
「でもしかたないんだ…さぁ…行こう…僕たちは行かなくちゃいけない…」
ぅん…
そう答えるだけで私は精一杯だった…
………でも
「行こう…チェシャ猫……」
私は行かなくちゃ…
彼女を殺してしまった罪を背負いながら
私は行かなくちゃ…
だから…
私を見守っていてね…
シンデレラ…
そして私は歩き出す…
これから待つ残酷で悲しい運命へ…
今…歩き出す…
私の背後には血に染まった硝子の靴だけが残されていた…
‡第2話血に染まる硝子の靴‡
おわり
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