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「お前こそ隆弘(たかひろ)の様にひかりに嘘の日常を生きろってゆうのかっ!!!!」
「ボソッ…それを偽りの存在である俺達が言うのか?」
(チェシャ猫…?)
まるでスイッチが入ったかの様に怒り狂うヘンゼルにチェシャ猫は哀れみを含んだ声でポツリと何かを呟いたがそれがひかりの耳に入る事はなく
目の前のヘンゼルは今にでもチェシャ猫に襲い掛かりそうな勢いで…
そんなヘンゼルの殺気にひかりはただ後ずさる事しか出来ずにいた
「猫ぉぉおおーっ!!!!!!!!」
そう叫びながら斧を手に走り込んできた
ヘンゼルにひかりは軽く悲鳴を上げたものの怪我をしたチェシャ猫を助けようとひかりは走りだした
「……全くっ…みな血のけの多い野蛮人で困った者だ」
フゥ…とゆうため息とともにひかりがヘンゼルに近付かないよう左手で通せんぼをするとひかりは張り詰めていた恐怖感が途切れたのかその場に座り込み
目の前ではひかりが座り込んだと同時に
ヘンゼルが背中から崩れ落ちるかの様に倒れていた
「ヘンゼルッ!!!!?」
ヘンゼルを抱き抱えながら止めどなく涙を流しているグレーテルにひかりも駆け寄ろうとするがそれは目の前の人物に阻止され
「…白…ウサギッ…」
チェシャ猫の呟きにひかりは驚きに目を見開いていた
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