107人が本棚に入れています
本棚に追加
「白ウサギ…貴方…どうしてヘンゼルを…」
「…あれは我々の存在意義を…貴弘との契約(約束)を破ろうとした…だから役目を終えて貰っただけです…シンデレラ…いや…彼女も愚かだ…記憶から遠ざける為とはいえ貴女を自分の物にしようなど」
見ていてとても不愉快だと顔を歪める白ウサギにひかりは怒りと微かな恐怖を感じていた
「さぁ…次は君の番かね?グレーテル?」
「っぅ…うわぁぁぁああーっ!!!!!」
カチャっと音を立てながら手に持っている銃をグレーテルに向けるとグレーテルは怒りと悲しみをあらわにしながら白ウサギへと斧を振り
「どうしたんだぃ?本気でやらなければ私は殺せないぞっ?」
まるで馬鹿にするかの様にそう言いながら白ウサギはまるで子供のお遊びに付き合ってでもいるかの様に襲い掛かってくるグレーテルから逃げていた
「っ…貴方だけはっ…貴方だけは許せないっ!!!!」
「フゥ…童の遊びに付き合うのも飽きたな…グレーテル…ヘンゼルと共に安らかに眠れ」
ポロポロと瞳から大粒の涙をながしながら白ウサギへの殺意を表にするグレーテルとは別に
白ウサギはまるでゲームに飽きたかとでもいうようにため息をつくと静かに銃をグレーテルへと向け
「…ごめ…ねっ…兄…さんっ…」
バンッとゆう銃声が聞こえた時には弾はグレーテルの胸を撃ち抜いた後だった…
「いやぁぁぁぁああーっ!!!!!」
ドサッとヘンゼルに覆いかぶさるように倒れたグレーテルの姿にひかりは涙を流しながら
頭を抱えると腕にいたチェシャ猫が突然腕を擦り抜け
「チェシ…ャ…行かな……でぇ!」
ヨロヨロとおぼつかない足取りで白ウサギの元へ向かうチェシャ猫を引き止めようとするが
足が思う様に動かず
逆に地面へと崩れ落ちた自分の体に苛立ちを感じながらもひかりは必死にチェシャ猫を止めるが
チェシャ猫はニンマリといつもの
ような笑みを浮かべながら振り返り
「大丈夫…僕は君をひとりにしたりしないさ」
そんなチェシャ猫の言葉にひかりは微かに安堵感を感じながらもそんなチェシャ猫の背後で
不適に微笑んでる白ウサギの姿に嫌な予感を感じていた
.
最初のコメントを投稿しよう!