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「シャロルはチェシャ猫だから仕方がないのです…でも奴はヒントを与えていた筈ですよ?…貴女が自分の危機に身構えられる様に」
「ヒント…」
「それに姿は消えてもシャロルは貴女の傍にずっといましたよ、シャロルは…いいえ私達は貴女の事を心からとても愛しいと思っているのだから」
愛しい?
それは私がこの本の持ち主だからでしょう?
「愛しいだなんて…大切だなんて…軽々しく口にしないで」
本当はそうじゃないくせに
お父さんに頼まれたからってだけなのに…
何が大切よ!!!!!
何が愛しいよっ!!!!!
本当はそんな事思ってもいない癖に…
「じゃあ…どうしてシンデレラやヘンゼル達が私を襲ってきたのよ」
「彼等は隆弘の願いに反発したもの達です、彼女達は自分達だけでひかりを幸せにする…と言いあんな馬鹿な事をしたのです」
「…それに私の記憶って何?!私は何かを忘れてるの!!?」
私の記憶の話の時に見せた
チェシャ猫の表情は今でも忘れない
憎悪…悲しみ…怒り…
その3つが合わさったかの様な
暗い暗い瞳を今でも
鮮明に思い出せる
だから尚更
私は私自身の事が気になるし
もしも私が大切な何かを失っているのなら知りたいとも思う
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