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ひかり…ひかり…
アナタはだぁれ?
………大好きなひかり…
今すぐ逢いに行くわ
だから…逃げずに"マッテテネ"…
‡第2話.血に染まる硝子の靴‡
今頃の時間…いつもなら帰宅するサラリーマンの人が歩いている筈なのに
今日は人…うぅん…猫やカラスだっていない…
可笑しい…可笑しすぎる…
いくら何でも有り得ないわ…
いままでついていた蛍光灯が
一斉に消えるなんて………
「っもぅ…なんなのっ…」
真っ暗闇な道を駆けながら家へと全速力で向かうと
突如耳に入ってくる
鈴を鳴らしたような凛とした歌声…
…姉様は燃…上が…
真っ…に……っ赤に燃え上…る…
えすぎて…真…黒ね…
「…何…っ…この歌…っ」
私は微かに聞こえる歌声が気になり足をその場に留めると
コツッ…コツッ…と
ヒールの様な音がやけに静かな夜道へと響き渡り
チェシャ猫の話しのせいか
私の体は恐怖で微かに震えていた……
「…っ!」
…誰っ…誰なのっ?
…怖いよ…お父さん…理恵っ…
誰でも良いから…
「歩いててよっ…こんな暗い道に私一人だけだなんてっ…」
瞳にじわじわと感じる涙も気にせずにひかりは勢い良く駆け出すと
目の前に微かに見えた人影…
「(…人だっ)すみませーん!……嘘っ…そんなっ…そんな事って…」
呼び掛けて振り向いた
人影は体中に刺された痕を残し
その人は真っ赤な血を流しながら必死に
硝子の靴に気をつけろ…
とひかりに呟くと力尽きたのかその場に崩れ落ちていった…
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