圭一×梨花

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すると、魅音は顔を戻し言った。 「あー。これは梨花ちゃんには、ちょーっと早いかもねぇ。 じゃあ、引きなおしって事でもう一っか…「やりますです」」 引き直しをさせようとする魅音にキッパリとした口調で割り込む。 周りからみれば、私の顔は真っ赤になっているかもしれない。 「え…でも…いいのかな…かな?」 真っ赤な顔をしたレナが話し掛けてきた。 「…これはボクが引いた罰ゲームなのです。 ボクだけ特別扱いで引き直しをする訳にはいかないのです」 私は、冷静に (そう、これは罰ゲームなのだ) 自分に言い聞かせる。 私はすぐに一人の人物を頭に思い浮かべる。 この罰ゲームをするなら…。 圭一しかいない。 これは、単純な消去法だ。 まず、同世代と女子は消去する。 そうなると、悟史と圭一しかいない訳だが、悟史は、詩音がいるから消去する。 そして、残ったのは、圭一のみ、だから圭一しかいないのだ。 そう自分に言い聞かせた。 ドキドキする心臓を押さえるようにして一度周囲を確かめて圭一の位置を確認する。 『これからキスをする』 そんな事を考えるとまともに顔を見られなくてすぐに視線は足元へ落ちてしまう。 一歩、足を踏み出すたびに緊張は高まっていく。 そして、圭一がここに居ることを確かめるように視線を上げて、にぱーと笑みを浮かべる…。 すると、圭一は 「え…、梨花ちゃ…」 と顔を真っ赤にして何かを言おうとしていたが、先に 「これは、ボクのファーストキスなのですよ…。 だから、責任、取って欲しいのです」 小さくそう言い、圭一に飛び付くように唇を重ねる。 魅音が後ろで「あーっ!あーっ!」などわめいている気がするけど気にしないことにする。 心臓が早鐘を打っていてとても恥ずかしいけれど魅音達、他の部活メンバーにむしろ見せ付けてやろうと、そんなことすら考えてしまう。
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