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無理な理想論で意地を張った午後が欝くしかった。 無邪気に人を傷付け合う喜びを知ってしまった日 人の群れに埋もれながら指定された方向に流される安心感を知ってしまった日 マイナスなもの達を直視しているように見せ、人知れず客観的になる方法を知ってしまった日 メリットのないもの達を 遠ざけてから切り離していく心地良さを知ってしまった日 誕生日 極論ばかりを話す私自身から無知の罪を知った日 綺麗なものが見たくなった 綺麗な音が聴きたくなった 綺麗なものに触れたくなった こんなのどかな昼下がり 全てが滅んでしまえばいい 不意打ち喰らった羊の群れさ 瞬間全てが平等になる そんな綺麗な詩を思い出した。
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