ラララ

1/1
前へ
/14ページ
次へ

ラララ

過剰に生きてやろうと踏み潰せなかった高架下の暗い場所にうずくまっているモノを見に行った 彼女は陰陽が捜す事柄を沢山集めたがり、本来持っていたものを最近全て棄てた。 何が悪なのか  いつまで経っても戻らないものは待つべきじゃないと、吃音で話す。 何が悪なのか 浅い鍋の底を眺めながら眠る倦怠感と虚脱感。 どれが悪なのか 知らないものはないと言い放ち、自分の脳を木っ端みじんに打ち砕く男。安らぐ時間。 どれが悪なのか 冬の無機質に動く虫だけが教える 高架下に着いた彼女は自分の影が見えないように息を潜めた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加