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すでに親は寝ているので、階段をそーっ……と音を立てないようにして降りる。 階段を降りれば目の前はもうキッチンだ。 足早にキッチンへと向かい、電気をつける。 そして冷蔵庫から麦茶を取り出して、コップに注ぐ。 とくとくと、音を立てながら麦茶は注がれていくのを眺めながら、僕は先ほど見た夢を思い出していた。 ……どこかで見た光景だった気がする。 燃え盛る村。 死んでいる白い鎧を着た男。 赤い髪の少年……茶色の髪の男……水色の髪の女……そして白髪の男。 「あっ……。」 そうだ、あれはマオに見せられた過去の情景にそっくりじゃないか。 とすれば、あれはマオだったのか? だけど、妙に鮮明だった。 心がどす黒く染まる瞬間、自分は変に快感を感じていた。 自分には無い……新鮮な感情とともに。 「だけど……僕があんな…………あっ。」 下に目をやると、麦茶は既にコップから溢れていた。
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