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入口に入ると独特なツ―ンと鼻を劈く(つんざく)香りがした。何もかもが冷たく身震いさえ感じる。 『瑞希!!』 『優……』 瑞希は独りポツンと長椅子に腰掛けうなだれていた。私の声に疲れ切った表情を見せる。 『大地兄は??』 『今は眠ってるよ……』 『何が有ったの??』 『……あの女が……』 悔しそうに歯ぎしりをし一点を睨み付ける。
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