2

2/7
前へ
/88ページ
次へ
 入口に入ると独特なツ―ンと鼻を劈く(つんざく)香りがした。何もかもが冷たく身震いさえ感じる。       『瑞希!!』   『優……』        瑞希は独りポツンと長椅子に腰掛けうなだれていた。私の声に疲れ切った表情を見せる。       『大地兄は??』   『今は眠ってるよ……』    『何が有ったの??』   『……あの女が……』        悔しそうに歯ぎしりをし一点を睨み付ける。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

162人が本棚に入れています
本棚に追加