伝説のコーチ

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 アメリカ・カルフォニア州、リッチモンド高。1999年当時、この学高は荒れ果てていた。無事に卒業する生徒は50%。この地域では刑務所に入る割合が大学進学率の80倍だった。それを一人の男が変えることになる。  ケン・カーターというスポーツ店を経営する男が、リッチモンド高バスケット部の契約コーチとして招かれた。彼は高校時代にオールアメリカにも選ばれたことがあるリッチモンドでは伝説の選手だった。  そんな彼が契約コーチとしてやってきて最初にしたのは、生徒たちと契約を結ぶことだった。「授業は必ず出席すること。チームの平均偏差値を並以上にすること。郊外試合にはシャツとネクタイを着用すること。この契約書には親に署名をもらうこと。」などという内容だった。  この契約書に憤慨してカーターに追い出された者もいた。彼はポイントゲッターだと生徒は反発したが、新しいポイントゲッターを作ればいいだけだとカーターは答えた。  さらに彼は指導を始めるとボールを使う練習を行なわなかった。生徒たちをひたすは走らせ、文句を言ったウェインには腕立て500回を命じ、さらなる反発を言わせなかった。
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