8人が本棚に入れています
本棚に追加
おおきな傷がなおるひまもなく、日々すりきずも増え、治りかけてもかさぶたをはがし、なんでだろう、いつのまにかボロボロでよれよれだ。
毎日しごと→きつい→ねる→しごと の繰り返しで、余裕なんてなにもない。
たまに
花びらの美しい筋や柔らかさ、夕焼けの端の色が混じりながらとけているところ、こどものはしゃぐ声、おじいちゃんの笑顔、行きずりの恋のたまらない手のぬくもりなんかに、勝手に涙が流れ出る。
そのたびに、
病んでいるな。と再確認する。
そして、どんどんひとりじゃ食事や睡眠がとれなくなっていった。ひとりになれなくなっていった。
おんなともだちはどんどん減っていったので、おとこと一緒にいることが増えていった。
色恋にかかわらず、隣にいるやつはだれでもよかった。
嘘はついていない。
そばにいてください。と言うだけ。
自分を汚して痛め付けるために男と寝たりする。
いつも、大怪我して痛みで精神混濁したような。
ちかちか目蓋のうらが白く光り、毎日気絶しているみたいだった。
最初のコメントを投稿しよう!