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ふるびたかんじなのによく手入れされていて、『いらっしゃい、ゆっくりしていってね』を全体で表現している、なんともいえない居心地。
おばちゃんは着古したせいで清潔そうにはみえない割烹義を、しっかりアイロン皺をつけて羽織っていた。
きっちりと結わえてある髪は白もまじり、無造作に不器用なそのすがたはなにか懐かしいもののようだった。
ストーブの前で冷えた足をあぶりながら、イヤホンをはずし、マフラーを解き、ビールを飲んでいると「おまけがあるよ!」と失敗したたこやきがふたつ、皿に乗ってきた。
焼きすぎてもそもそしているそのたこやきをつまみに、ビールを飲む。
ふと、
久しぶりに一人でこうゆうものを食べていることに気付き、緊張した。
「やばい、吐くかも」
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