ライセンス

9/18
前へ
/18ページ
次へ
しばらくして、やっと頭の動き出した私は筧が携帯を忘れて行っていたのに気づいた。 その裏の電池パックの部分には可愛いあいつの彼女と撮ったプリクラがまるで大事なもんみたいに貼られてあった。 「ばか。」 それをビリビリとはがして丸めてゴミ箱に捨てた。 「てめぇこそ彼女持ちだろうが。」 こんなのダメだ。 だけど、なんでだろ。 なんだかすっごく悲しいよ、筧。 筧が忘れていった携帯を握りしめて一人部屋で泣き続けた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加