夢と現

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「あのさー、倉田の姉ちゃんってよくねぇ。」 帰宅途中の何人かの男の子の内の一人が言いました。 「ああ。すんげぇー可愛いのな。」 男の子達は、早羅の話題になりました。 「そうそう。どっからか優しい雰囲気が漂ってくるのな。スタイルもいいしよ。」 「噂をすればなんとやら。」 男の子達の前に早羅が通りかかったのです。 「あんたの弟が俺らに凄く迷惑かけてくるんだけど。」 男の子達が早羅に絡んでいきます。 「それで困っててさ。」 早羅を囲むように男の子達が広がっていきます。 「その代償みたいなもんでさ。俺たちと遊ぼうよ。気持ちよくするからさ。」 男の子が早羅の腕を掴む。 「やめてっ。触らないで!」 早羅が男の子を突き飛ばします。しかし、相手は複数です。早羅が背の高い草原に連れ込まれるのは時間の問題でした。 「やめなさい。離して!」 早羅の抵抗は空しく終わり、早羅は地面を背にしていました。両手両足は、押さえ付けられています。男の子達は、下卑た笑みを浮かべ、早羅のブラウスに手をかけ、引き裂いたのです。 「きゃあっ。」 胸を隠そうとするが男の子達に押さえられているのでできません。 「お前ら何やってんだ?」 慧が男の子達の後ろに立っていました。 「慧!」 「何だ、慧かよ。見てわかんねーのか?お前の姉ちゃんと楽しいことするんだよ。」 早羅が必死にもがいているのを見た慧は、怒りで完全に我を忘れてしまいました。 「邪魔だ、どけっ。」 慧が男の子達に殴りかかります。 慧が何人か殴ったあと一人の男の子が石で慧を殴りました。 「慧っ。」 すぐに慧のもとに駆けて行く早羅。しかし、痛みすら感じなくなっている慧にはどうってことありません。
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