第一話:闇夜の迷い猫

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俺は尚輝…28歳。 自分でいうのも何だが、歳の割にかなりモテる。   だがどいつも こいつも好みでない。   もっとこう… 見るからに従順そうな、 髪は黒くて背は低い、 ハデじゃないけど磨けば美人、 色白で、肉付きの いい体をした… そんなのいるわけなぃが…   俺の理想…望み過ぎと わかっていても… 他の女ではすぐに飽きてしまう   我ながら困ったものだ   そんなことを考えながら、 帰宅する気にもなれず、 家路を遠回りしながら ブラブラ歩いていた   もう夜の10時をまわっていた 目の前を少女が歩いている   ちっ…こんな時間に余裕だな 襲われても知らないぞ   擦れ違い様にでも 顔を見てやろう… きっとブスに違いな…   いた… いた!…いた!!いた!!!   俺の理想…   見るからに無知で 髪は黒くて背は低い、 ハデじゃないけど 磨けば美人、   色白で、 肉付きのいい体をした… これを逃すわけには行かない!!   尚輝『こんばんは』   少女『…』   尚輝『びっくりさせちゃったかな?ごめんね』   少女『…』   尚輝『今帰りなの?』   少女は黙ってうなづく。   完璧だ…   尚輝『そうなんだー♪俺も実は帰り道♪♪あ、キャッチとかじゃないから大丈夫だよ(笑)』   少女はナンパだと 理解したらしく、 慣れていないのだろう、 少しうつむきながら はにかんだ   しばらく俺は一方的に 話していた   そういえば まだ名前を聞いていない   尚輝『あ、そうだ、名前は?俺は尚輝。月岡尚輝。』   相づちばかりうっていた少女はやっと小さな口を開いた。   少女『真弥…』   尚輝『真弥っていうんだ!?可愛い名前だね♪』   真弥『あ…ありがと…』   真弥はやっと口を開いて 話始めた   歳は19歳らしい。   あと10日もすれば 20歳になるとか。   顔に合った 少し高い 可愛い声   理想通りだ   この時俺は既に 彼女をすっかり 気に入っていた   もうすぐ彼女の家だという   メアドを交換という話を し始めたその時、 前から蛇行運転の自動車がものすごい勢いで来たのだ   『プップップップーッ!!』   『ドンッ』   クラクションと同時に 衝撃音が聞こえた   今まで隣りにいた真弥は 次の瞬間いなくなっていた… 車にはねられたのだ…   自動車はそのまま 何ごともなかったかのように 走り去った   おびただしい量の 血の海を残して…
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