第二話:企み

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ガードレールに 頭を強打したらしい   意識はないようだ 俺は慌てて救急車を呼んだ   尚輝『…はい、はい、…町…番地です…』   電話を切った後、 真弥が目をうっすら開けた   そして次の瞬間 とんでもないことを 口走ったのだ   真弥『ここ…どこ…痛っ…』   尚輝『大丈夫?…なワケないよな、車に当てられたんだよ。じっとしてなきゃ。今救急車呼んだから』   真弥『…尚…輝…??』   さっきまで『お兄さん』と 呼んでいた彼女が 急に呼び方を変えた   尚輝『あ、あぁ…』   真弥『おうちに帰らなきゃ…』   錯乱しているようだ 事態を把握していない   尚輝『あのね、良く聞いて?キミは…』   俺がそこまで言うと 真弥は俺の言葉を遮った   真弥『おうち…どこ?』   それだけ言い残すと 出血の為、 真弥はまた倒れた   …記憶ガナイ?…   その瞬間、 鳥肌が立つほど 恐ろしいことを俺は考えた   真弥の荷物をあさる 免許証、学生証、 診察カード…携帯電話…   彼女が彼女であるという 証明を俺は全て 彼女の荷物から取り上げた そして急いで自分の カバンへ放り込んだのだ   間もなくして 救急車がやってきた   そして俺は決めたのだ 真弥を自分の妹として       『飼う』事を…
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