第三話:記憶喪失

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手術中の赤いランプが灯る。   手術が始まって3時間くらい経ったのだろうか、赤いランプが消えた。   すると中から手術着姿の医師が出て来た。   医者『ご家族の方ですか?』   尚輝『はい、妹は…瑠璃は無事ですか?』   医者『頭を強打していたようですね。頭というのは傷の割に出血が多いんですよ。命に別状はないですよ。ただね…』   尚輝『ただ?』   医者『強打したせいで、記憶の一部に混乱がみられます。』   知ってる…   尚輝『え…あの、妹に会っても構いませんか!?』   医者『いいでしょう。状態も安定してますし。さ、こちらへ。』   コンコン   尚輝『入るぞ?』   真弥『…はい…』   カチャ…   そこには頭に包帯を巻かれ、弱々しく返事をする真弥の姿があった。   尚輝『真…いや、瑠璃、自分が誰だかわかる?』   真弥『…わからない…』   尚輝『じゃあ、俺が誰だかわかる?』   首を振る。   予想通りだ。   沈黙が続く…沈黙を先に破ったのは真弥、いや、瑠璃だった。   瑠璃『ナオ…ってなんだろう…』   え…まさか…   尚輝『それは俺だと思うよ。俺はナオキ、月岡尚輝だよ。』   瑠璃『あ…知ってる…ナオキ…』   尚輝『無理に思い出さなくていいよ。ゆっくりね。』   そう、まだ始まったばかりなのだから…
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