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…やっぱり、嫌だ…!
散々考えたけど、結局決まらないまま、私は屋上から出て教室へ行った。
「おっ中崎!お前もババ抜きやるか?」
「え!やりたいやりたい!やらしてっ」
教室に入るなり、私はクラスの男子にトランプに誘われた。
直ぐ様返事をして、男子からトランプを受けとる。
「むぅ…ババは…どっちだろ…」
「へへへ~ん悩め悩め~」
意を決して、シュパッと一枚のカードを引き抜いた。…ババ、だ…!
「中崎やっぱよえぇ!」
「う、うるさいなぁ!」
そんなで、昼休み終了のチャイムが鳴り、私は敗北感たっぷりに、席へと戻った。
そして、テストが配られる。本日最大の、最低点数。
「うそーーーー!!?」
「中崎、早く席につけ」
落胆して席につくと、須川君がニヤニヤと笑いながらテストを私の前に突きだした。
「う゛…」
「お前は…52、ね。また俺の勝ち」
「点数言わないでよ!」
ひらりとちらつかせた須川君のテスト用紙には、94、と書かれていた。
…本当、世の中理不尽…!
真面目に授業受けてないのにこの点数とか!
須川君には学業成就の神様が年がら年中憑いてんのかな?
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