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「あのーお話って一体」
「アンタ須川君の何?」
いきなりそう言われて私は出かけた言葉を飲み込んだ。ほらやっぱり予想通り。
「いやあの…席が隣なだけです」
「嘘言わないで。須川君の事名前で呼んでたじゃない」
ほらみろ!
だから嫌だったんだよ名前呼びなんて!
「や、呼べって言われたんで」
そう言えば、怒ったように反論してきた。
「はぁ!?アンタみたいなブスに須川君がそんなこと言うわけないでしょ!冗談言わないで!!」
ダメだ何言っても聞きやしない。厄介だな冬芽君信者は…。
一体全体彼女らは冬芽君に何を期待してんだろ?
「もう!信じらんないっ」
パンッと乾いた音が響き、殴られたのだと気づくのに暫し時間がかかった。
「アンタなんかに…須川君はっ渡さない!」
いや、私のじゃないから彼。
気づけば、授業開始のチャイムは鳴り終え、私は数人の女子に囲まれていた。
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