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「っ!むっ無理だよそんなの!」
須川君の無茶な注文に、すかさず私は抵抗する。
けど、須川君に命令を変えそうな雰囲気は全くと言っていいほどない。
「無理じゃねぇ。敗者は黙って勝者の言うことを聞けよ」
薄ら笑いを浮かべて須川君は私を見る。
これを言われると、私は言葉に詰まる。負けたのは事実なのだから。だけど私にもプライドはあるのだ。
「絶対、やらないからっ」
そう言ったら、須川君がニヤリと笑みを浮かべた。
そして段々顔を近づけてくる。
不覚にも顔が熱くなり、私は悔しくなりながらも顔をそらせなかった。
「俺がやれっつったらやるんだよ…。殺されてぇのかぁ?」
ぞくり、と悪寒が走った。ひくっと顔がひきつるのがわかる。あぁ、やっぱり私は…
「…わ、わかりました…」
逆らえないんだね、この人には。
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