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今の僕に、なんと残酷な仕打ちをなさるのですか神よ。
僕の間違いをいつも正してくれた君はもういない。
その優しさの分だけ君は君を失ってきた。
ただ、こんな僕なんかだけのために。
雪の様に白い肌。最初に出会った頃、君はいい香りがしていた。
いつしか僕は君の優しさを感じなくなり、甘い香りは消えてしまった。
いや、慣れてしまっていったのかもしれない。
君の優しさにも、香にも。
永遠なんてあるはずもないと知ってはいた。
ただ、その意味を理解できていなかった。
僕は心の片隅で君の優しさ、香は永遠で、いつでも、なんどきでも感じるし、感じとれると思ってた。
だからこそ、君の優しさも香もいつもそばにあるのだという気がしていた。
ただ、僕には想像できなかったんだ。
でも、想像できないからといって永遠が存在するわけではない。
始まればいつしか終わりが来る。
そう。太陽だってあと60億年後には燃え尽きる。
僕には60億年後も、太陽が燃え尽きることも想像できない。
でも、確実にその時は来る。
ゆっくりと、しかし確実に。
試験終了まであと5分を切った。
きっと赤点だ。
俺の計算が正しければ、ここさえ直せば赤点は無くなるけど…
MONOよ。
君がいないと僕はダメみたいだ。
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