幽霊屋敷

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暗闇を怪物の目玉を思わせるライトの光が照らしている。一歩足を進めるたびにぎいぎいと木の板を張り合わせただけのような床が不気味な鳴き声をあげる。 周辺に住む住人たちからはお化け屋敷などと呼ばれている廃屋に行ってみようと初めに言いだしたのは誰だったか。いい加減アルコールの抜けてきた信二は身震いをした。おれは何でこんなところにきているのだろう。覚めた頭で考えれば考えるほど馬鹿らしく思えてくる。そろそろ高校も卒業という歳にもなって肝試しだなんて。信二は他の2人を見た。しかも男3人だし。小さく溜め息をつくのとほぼ同時に2人のうちの1人、健二が口を開いた。 「奥の部屋にある姿見に自分の姿を映しながら写真を写すと必ず心霊写真が撮れるんだって」 「不細工なやつが自分の姿映ったの見て勘違いしたんじゃねえの?」 良太が自分で言って一人でげらげらと笑う。
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