ー『ゴミ溜め』ー

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「・・・すげぇ」 男はそう漏らした。 そして、ニヤリとほくそ笑む。 「ここなら・・・」 男はゆっくりと、自分の顎を一撫でし、ゴミの山へ足を踏み入れた。 ガラガラ・・・・。 ガラガラ・・・・。 男が歩く度に、積まれていたゴミが音を立てて崩れ落ちる。 (それにしても) 男は自分の頭上より高い、ゴミの山を見上げた。 これだけの量の廃棄物を、人は常に排出しているのか。 使えなくなった物、必要のない物。 その塊。 「・・・・・・」 男は少しの間、その場に立ち止まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また歩いた。 「?」 歩いてから、しばし、時間が経った時。 男の視界に、光が映った。 闇の中、ゴミの中。 小さな明かりがポツンと揺らいでいたのだ。 「・・・・人・・・・・・・・・か?」 男は手で、自分の腹に触れる。 そこにある『荷物』だけが、男の唯一の所有物だった。 男は慎重に進んだ。 だんだん、明かりが近付いてくる。
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