†対面†

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午前中の授業を終えて私は大学の別館一階にある喫茶店でささやかな昼食をとっていた。 クラブサンドのセット350円。破格の値段と内容の差はまるで名古屋のモーニングだ。 実のところ……昨日はよく眠れなかった。 おにぎりも一つ残してしまったし、今思い出しても昨日の不可解な出来事はやたらと気になり続けている。 それはあまりに曖昧で夢見心地な体験であった気がした。 それでもレポートは昨日中に全て書き終えたし、今日は今から有意義な時間を過ごせる。 午後一番の授業は休みだし、あと2時間半はボーッとしていれる訳だ。 (1人きりではあるけど…) 不意にそんな余計な事考えてしまう。 私は人間関係においでも目覚ましい宇宙人っぷりを発揮していた。 …群れていないと人は酷く不安になる。 遺伝子が孤立する事を拒んでいるのだから仕方ない、人は寄りそって生きるものなのだ。 ただ人は心に余裕と平安が欲しいから異なる物、理解出来ない物を見ると拒絶しようとする。 拒絶という言葉が適当でなかったにせよ、理解しようとする為に考える事を放棄したなら同じそれだ。  
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