夏の夢

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私の家のすぐ近くに住んでいた、一つ年上のユウくん。 祐樹って名前だったからユウくんって呼んでいた。 いつもにこにこと笑ってて、優しいお兄ちゃんだった。 私のことを本当の妹みたいに可愛がってくれて、よく一緒に遊んでくれた。 二人で遊ぶときは決まってこの神社に来ていた。 勝手にここを二人の秘密基地にして、遅くまで遊んだ。 今目の前で繰り広げられているこの光景も、いつものように遊びにきていたときに起きた出来事だ。 最初は二人で鬼ごっこをしていたけれど、私がそれに飽きてきて別のことをしようと言いだした。 ユウくんが笑顔でいいよと言ってくれたから、私は一生懸命楽しいことを考えた。 そして考え付いたのが、一緒に手を繋いで境内を走り回ること。 ルールはいたってシンプルで、どちらかがギブアップするまで走り続ける、というものだ。 今思うと全然面白くなさそうだが、ユウくんはやろうと言うと私の手を握って走りだした。 ただひたすらぐるぐる走っているだけだったのに、なぜか楽しく笑いが止まらない。 そのうち、調子に乗り始めた私は、急にスピードを上げるとユウくんを引っ張った。 突然のことに対処しきれなかったユウくんは、足がもつれたのか転んでしまった。 ユウくんの重みに引っ張られて、私も一緒に転んだ。 元はと言えば私が悪かったのに、ユウくんはいつも通りに笑って私のスカートの汚れを取ってくれた。
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