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その後の事はあまり覚えてないが、家族の、俺の将来に対する安心と
両親の申し訳なさそうにうつ向く様子は覚えている―。
その後はとりあえず飯を食べて、俺と妹はそれぞれ部屋に、
他の家族は、まだ話し合っていたのだと思うが…、正直話しに交ざりたくない気分だったのが本音だった。
俺はその後、灯かりもつけずにベッドに座って、頭の中を整理した…。
今日あった事、後輩を亡くした事、学校に行けなくなってしまった事、
父が“殺人者”になってしまった事…。
でもやっぱり一番辛かったのは将来の展望がガラッと変わってしまった事で、勢いもあって、その場で決めてしまった選択に、不安で…。
ああ…、もう学校には行けないんだなぁ…。
と思った瞬間、涙が溢れてきて…、声に出さないように、誰にも聞こえないように、静かに泣いた…。
それからの夏休みは、あまり記憶には残らない…。
学校に進路の変更を伝え、勉強のプリントを貰い、
『人の目もあるから…』と部屋に籠って過ごした覚えはある。
まあ、田舎だし…。
でも、その田舎の、特有のエスカレーター式進学で、物心ついた時から一緒にいる友人達が、俺を一人の孤独から救ってくれた…。
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