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救急車のサイレンの音で目を覚ました…。
外の明るさから、
朝という時間を抜けた辺りだと思った。
夏休み初日で、まだ涼しい時間帯ではあったけど、体はじんわりと汗ばんで気だるい…
もう一度、ベッドに仰向けになって布団に潜る…
なんとなく起きたくないのと、さっきのサイレンの音が耳から離れなくて…
しばらくたった頃…、すぐだったのかもしれないけど、俺はしばらくそのままだった気がする
妹が部屋に来た。
昼飯か?と思って起き上がる覚悟を決めようと体に力を入れたその時…
「お兄ちゃん…アタシの同級生の…H君が死んだって…。」
俺はそのまま固まった…
なんで真っ先に今言ったんだ…?
なんでそんな事知ってるんだ…?
なんでお前…そんなに泣いてるんだ…?
妹の顔は、同級生を失ったにしては、苦々とした…それはそれは苦しそうな泣き顔をしていた…
俺の中でザワザワと、寒気にも似た感じの、不安の様な恐怖が込み上げてきた
「ひいたの…お父さんだって…。」
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