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ひとしきり鼻をすすった後、
さて…これからどうするかな…
と思った所で、一枚のハガキが目に止まった。
“ココ”かぁ…。
そういえば、去年卒業した違う高校のバンド友達が“ココ”に行ったのを思い出した。
と言っても、お互い住所を知っている訳でもないし、このハガキがあったのは、本当に偶然だったのだろうが…。
今からじゃ他にないし“ココ”しかないよな…。
と、覚悟を決め、下で話し合っている家族の元へ―。
居間に降りると、家族と親戚の伯母もいた。
皆泣いていた、父もいた。
居間に来た俺に注目すると、伯母が一番に口を開いた。
「ユータロー君…、大変だけど頑張れな…。学校には行けなくなったけど、長男なんだから、お父さんお母さんを支えてやってな…。」
と―。
いきなり不躾に…。とも思ったが、すぐに…
まぁ、その通りだな…とも思った。
こうなってしまった以上、至極当然な事だし、伯母なりに家族全員に対する励ましである事も解った。その後
「これから就職する所を探すのかい…?」
と心配をする伯母に一枚の募集ハガキを見せ―
「“ココ”に行きます。」
これが、今『自衛隊』にいる事のきっかけだった―。
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