プロローグ~篠突く雨~

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  あーあ、叶わないと分かっていても告白しておくべきだったかな?   ここで二回目の苦笑。 後悔するのがイヤだとか言っておきながら、また後悔してしまった。 もし私が思いのたけを全て伝えたなら きっと貴方は驚いた顔をした後、困ってしまうのでしょうね。   その光景を想像すると自然と口元が緩んだ。   もし貴方ともう一度会えたらこの想いを伝えよう。   「私、貴方が・・・」   篠突く雨に遮られ、誰にも届かなかったその言葉が 私の最後の言葉となった。     
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