331人が本棚に入れています
本棚に追加
瑠衣は凛が帰った後も一人考えていた。
「異能者か…」
異能者の出生数は限りなく少ない。そして、生まれた異能者のほとんどはその能力から危険視されていた。そのためほとんどの異能者は自分が異能者だという事を隠して生きている。
瑠衣が凛に異能者だとバレたのは一度だけ異能の力で凛を助けたからだ。バレた時は凛に恐れられると覚悟していたが、凛の態度は覚悟 していたものと違った。
「助けてくれてありがとう。」
はっきり言って普通の感謝の言葉だった。
しかし瑠衣にとっては一番意外な言葉だった。
異能者達は能力がバレたら元の生活には戻れないと信じていて、それは当たっていた。
ほとんどの者たちは能力がバレたら恐れられ、避けられていた。それだけに瑠衣にとって凛の普通の感謝の言葉は何より救われた。
最初のコメントを投稿しよう!