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「マジか……?」
先ほどまでの空腹感はなくなり、逆に恐怖が全身を満たしていた。
奮発して買った熱々のステーキ弁当は、いつの間にか冷えてしまって、食欲のなくなった僕にとっては只の冷えた肉弁当と化していた。
とりあえず家に着き、弁当を少しだけ口にする。
しかしすぐに吐き出す。
人間変に追い込まれるとこんなにも食欲が失せるものなのだと、初めてそのとき知った。
流石にもう大丈夫だろうと思い、再び携帯の電源を入れる。
そして気を紛らせるためにテレビをつける。
が、やはり気が紛れる事はなく、先ほどの電話の内容が脳裏をよぎる。
僕だ。
あの時クリックした時のものだ……。
そう思っていた矢先、再び携帯がなる。
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